消費者問題・悪徳商法
海外先物取引業者から投資額を回収した事例
Aさんは、海外先物取引業者から、電話で、「絶対もうかります」というセールストークで大豆の先物取引を勧められました。あまりにしつこいので根負けして一口だけということで、保証金として100万円を送金しました。
その後、営業マンは頻繁に自宅に来るようになり追加の取引を勧められました。
営業マンが亡くなった息子と同じ年齢であったせいもあり、情にほだされて、何回か取引をするようになりました。
いつも、今回で止めようと思っても、営業マンからこのまま追加の証拠金を積まなければこれまでの投資が無駄になると言われ、次から次へと追い証名目でお金の支払いを要求され、気がついたら合計3000万円を支払っていました。
もうお金がないと言った途端に営業マンとの連絡が途絶えてしまいました。
その後、Aさんが会社に連絡をすると、現在、大豆の価格が下がり、保証金のほとんどが戻ってこないと言われました。
このお金はAさんの亡くなった息子の生命保金でした。
当事務所は、Aさんからの依頼を受けて、業者に対し、早速、内容証明郵便で取引の手仕舞いを通知するとともに、本件契約が詐欺による取引であるとして、契約を取り消し、交付済みの証拠金3000万円の返還を求めました。
業者は、手仕舞いに応じ、現時点の残額500万円程度を返還すると回答してきました。
とても納得のできる金額ではないので、裁判所に全額の返還を求める訴えを提起しました。
Aさんのもとに業者から送られた取引明細書を分析した結果、営業マンのセールストークが客観的な値動きと異なることや、無断取引の実態が明らかとなりました。
このことが裁判官にも理解され、ほぼ全額に近い金額を2回に分けて返還する内容の和解が成立しました。
業者は約束どおり全額を返金しました。
Aさんは、泣きながら息子さんの墓前に事件の解決を報告されたとのことでした。